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アブラ、カターまるな

小瀧なつき


寒く乾燥した冬、リップクリームを塗ろうと思うと春に比べてカタかったり。逆に夏はヘアワックスがユルいな。なんてことはありませんか?または、美味しく煮込んだ角煮の鍋が冷めたら白―い層が出来ていた。といった経験もあるかもしれません。これらに共通するのはあぶら、油脂です。気温でもこんなに個体や液体に変化するあぶら。カラダにも入れる油脂だって種類によって様々な違う作用がありそうですね。





今回紹介するのは総人数8630人分、4つの研究結果を集めて分析し、認知症と毎日摂る脂質の相関性について調べたものです。


「脂質は少なめ」がダイエットにお決まりかもしれませんが、果たしてただ脂質を少なくすれば健康的なのでしょうか。


結果から言うと、お肉の脂身や生クリームなど形のある油脂はあまり摂らない方がいいようです。


研究の結果、飽和脂肪酸を多く摂る人はあまり摂らない人に比べ、認知症になるリスクが1.4倍高いことがわかりました。飽和脂肪酸を4g/1日多く摂ると15%リスクがさらに上がります。


脂肪酸は2種類に分けることができます。


「飽和脂肪酸」…常温で固まるあぶら(脂)に多い。融点69.6℃=固まりやすい

主に動物の肉や、牛乳、バターなどの乳製品に含まれます。


「不飽和脂肪酸」…常温で液体状のあぶら(油)に多い。融点16.3℃=固まりにくい

主に植物性、ナッツ類、また魚などに含まれます。


小分類・オメガ9―オレイン酸(オリーブ油など)

・オメガ6―リノール酸(ナッツ類、植物油、グリープシードオイル)

・オメガ3―αリノレン酸、EPA、DHA(くるみ、アマニ、魚)

ここで重要なのが「飽和脂肪酸」…常温で固まる「不飽和脂肪酸」…常温で液体状という点です。つまり体内でも飽和脂肪酸は固まりになりやすく、飽和脂肪酸は流動的でサラサラ、浸透もしやすいのです。


認知症、特にアルツハイマー病はアミロイドβたんぱくが脳に溜まることが要因とされるますので、流れのいい脂肪をとれば、血の流れを良く、動脈硬化を防ぎ、脳神経細胞のサイクルを促進する潤滑油となること間違いなしですね。


1日摂るべき脂質は全カロリーの2割。そのうち、飽和脂肪酸は7%以下(バター一欠片10gで3.5%ほど)に控え、不飽和脂肪酸を12%(20gほど…くるみ一つかみ、オリーブ油大さじ2程度))ほど摂るのが理想的です。


アブラカダブラ〜、あぶらもかたまるな〜。頭のカタイ方、脳の潤滑油は足りていますか。良き油脂を注入、魚を週3回は食べる習慣を始めてみましょう。脳細胞は減ったとしても新しいことを考えたり、始めたりすると1万増えるそうですし、まだまだ老化なんて言ってられませんね。


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